2019年に結成された女性ヴォーカル・アンサンブル・グループ。サラ・ガザレク、アマンダ・テイラー、ジョナイエ・ケンドリック、エリン・ベントラージから成る。
アマンダ・テイラーは、ヴォーカル・アンサンブルを専門とするアレンジャーとして受賞歴もあり、地元シアトルではヴォーカル・グループの「グルーヴ・フォー・ソート」のメンバーとしても活動中。マンハッタン・トランスファーの結成50周年記念アルバムでもアレンジャーとしてクレジツトされている。セロニアス・モンク・インスティテュート出身のジョナイエ・ケンドリックはニコラス・ペイトン・セクステット他で活動しつつ、マルチ・インストゥルメンタリストでもあり弦楽器系の作曲も多い。自身のレーベルjohnygirlからリリースしたアルバムではEarshot JazzのNW Recording of the Yearにノミネートされている。カリフォルニア州立大学ノースリッジ校の教授も務めるエリン・ベントラージはジェイコブ・コリアーとの共演やクリスチャン・ユーマンのデビュー作でローラ・ニーロのカヴァーを歌い注目され存在。ムーンチャイルドには楽曲も提供しバックグラウンド・ヴォーカルも担当している。
2018年にサラ・ガザレクがまずアマンダ・テイラーに構想を話し、そこから共通の友人であるエリン・ベントラージが加わり、さらにサラの提案でジョナイエ・ケンドリックが加わった。カリフォルニア州パームスプリングスで1週間のリトリートで曲作りやアレンジのセッションを練り上げ、2019年から本格的に活動を開始。2020年ニューオリンズで開催されたジャズ・エデュケーション・ネットワーク・カンファレンスでライヴ・デビュー、その後複数のジャズフェスティバルやクラブに出演するようになる。パンデミック中の2021年第63回グラミー賞では「Desert Song」が “Best Arrangement, instrument, and Vocals”にノミネートされる。さらに同年のジャズジャーナリスト協会賞の “Best Vocal Jazz Group” にもノミネート、「Wisteria」でジョン・レノン・ソングライティング・コンテスト大賞を受賞と一躍評価を高めた。各4人のアーティキュレーション、ビブラート他ヴォーカルのテクスチュアーが繊細にアレンジに織り込まれた圧倒的スキル、さらに現代性ともリンクした立場を明らかにした女性ヴォーカル・アンサンブル・グループとして全米でも大きな注目を集めている。