ノースカロライナ出身のシンガー・ソングライター/マルチ・インストゥルメンタリスト。音楽一家という環境でクラシックとアパラチアン・フォークの素養を持ち、ノースカロライナ芸術学校でクラシック・ギターを専攻したのち、ニューヨークの「The New School for Jazz and Contemporary Music」でジャズ・コンテンポラリー音楽専攻に入学、ジャズと作曲を学ぶ(当時の同級生にホセ・ジェイムズなどがいる)。2006年に学内の友人たちとベッカ・スティーヴンス・バンドを結成、2008年にはデビュー作『Tea By Sea』を発表。当時「ニューヨーク最良の秘宝」と呼ばれ、以降は本格的なプロ・ミュージジャンとしての活動を始める。ジャズ/ポップス/インディー・ロック/フォーク/ワールド・ミュージック等のリズムやハーモニーからインスピレーション受けたリニア感ある独特な楽曲、複数の弦楽器を操る高い技術、そして卓越したヴォーカル技術によって現代ジャズ・シーンの境界を大きく広げていく存在となっている。 自身のアルバムは、フォーキーで高度なアンサンブルの『Weightless』(2011)、インディー・ロックに接近した『Perfect Animal』(2014)、多重コーラスとスケールアップしたプロダクションを駆使して伝説的女性達をテーマとした『Regina』(2017)、40名以上のミュージシャンを集めてダンサブルなエレクトリック・ポップを作った『WONDERBLOOM』(2020)を発表。コラボ・アルバムとしてはグレッチェン・パーラト&レベッカ・マーティンと組んだ『Tillery』(2016)、中近東~バルカン音楽をとりいれた『Becca Stevens & The Secret Trio』(2021)、弦楽アンサンブルと共にオリジナル曲の再解釈にアプーチした『Becca Stevens | Attacca Quartet』(2022)を発表している。 また、デビュー以降は数々のミュージシャンのアルバムにゲストとしても呼ばれており、ホセ・ジェイムズ/ビョーケストラ/ブラッド・メルドー/テイラー・アイグスティ/グレッチェン・パーラト/エスペランサ/ローラ・マヴーラ/アントニオ・サンチェス/メトロポール・オルケスト/アンブローズ・アキンムシーレ/ルイス・コール/ジェイコブ・コリアー他その参加作は膨大。2016年頃からスナーキー・パピーのマイケル・リーグが主宰するGroundUpとの繋がりが生まれ、2017年アルバム『Regina』から同レーベルからのリリースが続いている。それによってスナーキー・パピーとの共演、デヴィッド・クロスビーのライトハウス・バンドへの参加と活動領域が大きく広がっている。 『WONDERBLOOM』と『Becca Stevens | Attacca Quartet』ではそれぞれグラミー賞「Best Arrangement, Instruments and Vocals」にノミネート。来日公演は2015年1月、2017年7月にそれぞれCOTTON CLUBで行われた。 。